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2021年4月11日
3月で36歳になり年齢も体格もやや増加している院長です。
今回はデンタルプラークについて書こうと思います。今はデンタルバイオフィルムって言葉に変わってきているみたいです。ちなみに私生化学を専攻していたので微生物学は少し怪しいところあると思いますので、何かあればメールください(笑)
まずバイオフィルムってなんぞ?って思うかもしれません。バイオフィルムとは微生物の集合体のことです。 数種の細菌がコミュニティーを作って増殖した膜状のもので、細菌が外的要因(薬剤、体内の免疫反応、口腔内の環境変化など)から身を守るために作ります。 台所や風呂場の排水口や川底の石にヌルヌルとした膜ができることもありますが、あれがバイオフィルムです。
要は、普段の歯ブラシはこのバイオフィルムを壊すために行っていると考えられますね。今までだったらプラークコントロールって言ってプラークの付着で清掃状態を判断していましたが、ヌルヌルをとるためとなると大変そうです。
そもそもバイオフィルムってどのようにできるのでしょうか?
歯面は若干唾液の成分でヌルヌルしたペリクルというタンパク質に覆われます。そのタンパク質を足がかりに初期定着細菌がついてそれが成熟していくことになります。
ここで私が面白いと思ったのは、本来歯周病菌て嫌気性菌が多いと思っていたのですが、これらの細菌は定着菌の上に結合しているという点です。
さらに、バイオフィルムの成熟により抗生物質に耐性を持ったり、齲蝕原因菌と歯周病菌が共存したりなどの社会を形成するということです。ペリクルは唾液で形成されますが、その後のバイオフィルムの成熟をいかに止めるかが鍵となりそうですね。
つまりは何が言いたいかというとしっかりバイオフィルムを初期段階で破壊することが重要であり歯肉縁上では、日常のブラッシング、フロス、歯間ブラシを用いて、歯周ポケット残存している部分は我々歯科医師や衛生士がバイオフィルムの成熟を防ぐことが重要であると思います。
歯周治療を行う上で歯周ポケットが残存してしまう事はあるのですが、我々の役目はなるべくポケットを除去し浅いポケットにする、歯周ポケットが残ってしまった場合は、なるべく1、2ヶ月に一度歯周ポケット内のバイオフィルムを破壊することを心がけたいと思います。
なんか歯磨きしたくなってきましたね!
参考文献:Huang R, Li M, Gregory RL.Virulence. 2011 Sep-Oct;2(5):435-44. doi: 10.4161/viru.2.5.16140. Epub 2011 Sep 1.Bacterial interactions in dental biofilm
Valm AM.J Mol Biol. 2019 Jul 26;431(16):2957-2969. doi: 10.1016/j.jmb.2019.05.016. Epub 2019 May 17.The structure of dental plaque microbial communities in the transition from health to dental caries and periodontal disease
榎本拓哉 院長 歯学博士
2009年 北海道医療大学 歯学部 卒業。