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2023年2月9日
たまたまスマホでニュース記事のグラビアの写真を見ていたら9歳の娘に「理想のパパだったのに」って泣かれた院長です。
一般の方にはあんまり需要ないかもですが、自分の勉強のために、、、
今回は前回歯周炎ステージ1〜3のガイドラインに続き、重度歯周炎のガイドラインについてまとめていきたいと思います。
そもそも歯周炎ステージ4とはどのような状態かというと。。。
このようにクリニカルアタッチメントロスが5ミリ以上、歯根の1/3を超える骨吸収、歯周炎により5本以上の喪失に加え、咀嚼障害、咬合崩壊などの様相を呈している状態を言います。ここまでくると歯牙が動揺し噛み合わせが維持できなくなってきます。このような患者へのガイドラインになります。
この状態できちんと治療されないと完全無歯顎症になる可能性があり、未治療の重度歯周炎は、成人においてかなりの歯を失う可能性がある。(Ramseierら、2017)
さらに、歯周炎は、糖尿病、心血管疾患および有害な妊娠予後などの全身性疾患と関連します。また、歯周炎は、すべての原因または心血管疾患による早期死亡と独立して関連しており、特に多疾病集団では歯周炎の影響は糖尿病を併発しているのと同等であり、また医療支出の増加にもつながるとされています。
どうやってガイドラインを作成したかは割愛します。
ステージ IV の歯周炎患者の臨床評価は、5 つの重要な側面から構成される。
i. 歯周破壊の量、患者の機能、審美性の評価
歯周組織破壊の程度、患者機能、審美性の評価 歯周組織破壊の程度を評価するためには、X線やCTなど画像診断を併用した歯周組織検査/チャートが必要であある。ステージ4歯周炎では、このような検査に加え、歯の過可動性の評価、歯の活力評価、二次的咬合性外傷の有無、安定した後方垂直停止の有無、セントリックオクルージョンと遊離運動におけるフレミタス、咀嚼機能、審美性、音声学の主観および客観評価などの個々の歯と歯列全体の機能および美学の状態に関する詳細な評価を行う必要がある。
ii. 歯周炎により喪失した歯の数
歯の喪失/抜歯の履歴とそれに伴う症状に基づく複雑な評価を必要とする。
iii. 個々の歯の予後
ステージ4歯周炎患者における歯の予後、特に予後不良歯と予後不良歯の鑑別は複雑であり、予後を変える可能性のある治療法を特定するために多角的なアプローチが必要である。歯牙の予後は、固定式または可撤式修復物の支台歯として使用される歯周病の可能性を評価する必要性により複雑化する。
iv. 修復要因
歯牙のみ、またはインプラントによる修復を考慮しながら、無歯顎領域の広さ、保持できる歯牙の数、分布、修復可能性を評価する必要があります。
v. 症例全体の予後
健全な予後評価と適切な治療計画を立てるために必要な症例分析は複雑であり、技術的・生物学的に実現可能で、費用対効果が高く、患者の希望や期待に沿ったものを詳細に評価する必要がある。
4つの主要なステージIV歯周炎の表現型を認識し、特定の臨床ケースタイプに分類した。
そしてその対策についての説明です。
ステージ IV の歯周炎治療のためのシークエンスについて
ステージIVの歯周炎に対応するためには、各ステップの順番に、特定の追加治療手段を導入する必要がある。このようなケースでは、機能の回復、咀嚼の快適性の回復、第2次咬合性外傷の治療、場合によっては咬合の垂直方向の回復も必要で、当初から計画する必要があり、さらにはステップ1~3と同時に実施する必要がある。
ステージ4歯周炎では、歯列喪失のリスクが高いため、「無治療」という選択肢は避けなければならないことを認識する必要があります。
ステージ4歯周炎患者のメンテナンスについてはステージ1〜3のガイドラインを順守する
ステージIVの歯周炎治療における重要な側面について
私なりのまとめですが、
ステージ4の歯周炎患者では歯牙の移動、欠損、動揺が生じていることが多くそこがステージ1〜3の治療の違いではないでしょうか。要は歯周治療後の矯正治療、インプラント、義歯、Brなどの複雑な補綴処置が必要になってくる。
もちろんガイドライン通りの治療が必要ですが、ある程度治療計画を立案する段階で、患者と最終的な補綴処置をどうするのか話しておくこと、あとは歯周治療の質が求められるところが重要なのではないかと思います。
ちなみにこの論文68ページありまして、読むのかなり疲れましたが、結構考えがすっきりしたような気がします。
榎本拓哉 院長 歯学博士
2009年 北海道医療大学 歯学部 卒業。